距離をおく、ということ。

人間関係で「距離をおく」というと、たいていはマイナスなイメージなんだと思う。
私はあながちそうでもないと思っていて。でも残念なことに、それが得意ではないのだけれど…。

昔から人との距離をうまく取るのがニガテだった。
仲良くしたい人には嬉しくなってどんどん近づいてしまう。おそらく私はパーソナルスペースの弧が小さいのかもしれない。しかし相手のそれが同じとは限らない。そして仲良くなりたい人には正直でありたいし、本音でいたいと思っている。これもまた一長一短で、受け取りようによっては無粋で無遠慮と思われてしまう。


何年か前の話。
「素敵な人」と周りから評判の女性と知り合う機会があった。
しかし、控えめな態度だった彼女の発言はあまりにも控えめすぎたというか、相手を褒めそやすことで慇懃無礼に思える*1ほどに感じられた。私はそれをシニカルに指摘したことで彼女を傷つけ不愉快な思いをさせてしまった。
自分の非については謝罪したものの「あなたは自分が悪いと思っていないでしょう?」と拒まれる形で、それ以上に親しくなることはできなかった。真摯な謝意が伝わらなかったことは残念だったし、私にとっても少なからず不愉快だったので、それ以上頑張ることもできなかった。
その後に人を介し一応和解することはできたものの、特に距離が縮まることはなく今に至っている。


あれから時が経って、今の私は相変わらず彼女を素敵な女性だと思っている。*2
「女性らしい」というと抽象的すぎるかもしれないけれど、可愛らしいところも聡明なところも、おそらく女性特有な利巧な部分も含めて、だ。彼女がぽつぽつと更新しているブログを読むのも楽しみにしている。
傍から見れば矛盾かもしれない。
でも、仲がいいかどうか?と相手に対する評価は別のところにある、と私は思っているから。
会ってしまったら、またうまくいかないかもしれない。でも、遠くからなら素敵な女性だと思ったままでいられる。近づきすぎるとダメなんだろう…と勝手に思っている。


彼女に限らず、適当な距離があるほうが上手くいく相手、というのはいると思う。
私の性格に問題があるのか、はたまた相性なのか、距離を縮めすぎると摩擦や不具合を起こす。もっとお互いを慮れば…とも思うけれど、そこまで神経とがらせなくても上手くいく相手はいるわけで。

もしかしたらみんなはあえて考えずに普通にしてることなのかもしれない。でも私はそれを「ポジティブに距離をおいた相手」と思っている。

*1:まぁデキの悪い人間のひがみかもしれない。

*2:相手からは相変わらず嫌われてるかもしれないけど!w