<五月晴れ>

駄文にして、長文。
お時間がある方にご笑覧いただければこれ幸い。

* * * * * 

最近の私は「忙しい」「もう大変」と愚痴をこぼし喘ぎながら仕事をこなし、
その合間にキチンと休養をとればいいのに、あちらこちらへと小さな旅に出ていた。


「名古屋暑くてさ、やってらんないんだよね」という言い訳みたいな理由
(いや、実際すごく暑いんだけれども)をつけて、でも本当のところは
現実逃避というか、とらわれてもいないのに何かにとらわれたような気がして、
もがき逃げ回っていた…というほうが正しいかもしれない。


旅先では長短の差はあれど、懐かしい人たちに会ってきた。
むしろ、「会いたかったから」私は旅をしようと思ったんだ。


「ごめん。忙しくってさ」そう言われたらそれまでなんだけど、誰もそう断る
ことなく、なんとか都合をつけてくれた。それはもう感謝してもしきれない思い。
いわゆる「かまってちゃん」でワガママな私に付き合わされるのだから、
それ相当の覚悟?も必要だったろうに。


旅先では、それぞれの土地の旨いものを肴にお酒を呑み、懐かしい
想い出話から最近のこと、果てはゴシップまでとりとめのない話をした。
なかにはそこまで時間がとれずに「とりあえずお茶だけ」した人もいたけれど、
それはそれで充分ありがたかったし楽しかった。


「楽しかった!ありがとう。また会おうね!」そう約束をして手を振る。
デートと違うのは「次はいつ?」という確約がないことくらいか。
でも、大丈夫。
きっとまた会える。きっと。


昨日の夜「さて、明日からまた仕事頑張らなきゃ…」と思いながら、あてもなく
友人知人のサイトを眺めていたら、私の気持ちをすっぱ抜かれた文章を見つけた。
創作という名のついたそれは、確かに少しばかり脚色してあるけれど、そこに
書いてあったのは見まがうことなく彼の想いだった。

彼女が僕に会いたがったのは、淋しかったり、自分を見失いたくなくて
誰かに存在を認めて欲しいとか、自分のことを好きでいてくれる人に
会いたかったんだろう。恋愛感情ではないにしろ、確かに僕は彼女を
嫌いじゃないし、それはそれでアリなのかもしれない。

そんなことが書かれていた。


やれやれ。お見通し…か。
やたらバツが悪いけど、まぁ否定はしない。
そんな人たちに支えられ、私はまた日々を繰り返して行く。


…梅雨の合間の晴れた日に。


五月晴れの名古屋は今日も暑くなりそうだ。