<久しぶりのジレンマとトラウマ>

たいていの女性は「痩せたい」「キレイになりたい」と常にどこかで思っている。
いつだって、そう思っている。表面上、そう見えるかどうかは別として。


実際、ちっとも太っていない女性が「やせなくちゃ!」と言うのを聞いていると、
「それ以上、どこをどう痩せようと?」と聞いてみたくなったり、自分を振り返って
なんだか哀しくなってくるけど、私だって努力したことがないわけじゃない。
最近また「頑張らなくっちゃ」と思ってはいるのだけれども、どうも心のバランスが
うまく整わない。


「拒食症」とか「過食症」ってのは、ダイエット経験者でなくても昨今一度や二度
聞いたことのある言葉だと思う。
私も(通院やカウンセリングまで行かなかったけど)軽い拒食症になりかけたことがあって。
最初は「頑張ろう!」と明るく始めたはずのダイエットが、だんだん「痩せる」とか
「体重を落とす」ということだけにとらわれはじめ、それを妨げるもの全てに憎悪の感情がおき始める。
「食べる」という行為がすでに罪悪感。運動しても、終わってすぐにウェイトが落ちていないと
ろくに水分補給もせずにサウナでフラフラになるまでガマンしていたり。
まるで試合前の計量を待つボクサー並みだ。でも、ボクサーは計量が終わったら、
キチンと体調コントロールをするのだけれど…。
そして、もう少しすると、ランナーズハイみたいに「空腹感」と「食べないこと」が
快感に変わってくる。このあたりから、精神的にはちょっと黄色信号なのかもしれない。
一般的に「よく食べて、よく運動する」のがダイエットの正攻法、と言われるが、
頭の中は「とにかく痩せたい」という気持ちだけが支配してしまっているので、
「食べなくて、よく運動する」と、さらにいいんじゃないか?という錯覚に陥る。
高カロリーより低カロリー、低カロリーよりカロリーゼロ、という図式が浮かぶ。


もう、ルールも健康もあったもんじゃない。


それでも空腹に負けて、モノを食べてしまうことがある。
そうなると、もう大変だ。パニックを起こしそうになる。
クチにモノを入れた、モノを食べた自分を殺したくなるし、急いで食べたものを
吐かなくちゃ…と慌てる。
最初は結構「モノを吐く」のが辛いんだけど、慣れてくると習慣的にというか
「ごちそうさまー。さて、吐いてこようかな♪」くらいになってくるから怖い。
吐き方自体がうまくなるのか、身体が「食べたものは吐く」というリズムになるのか、
こうなるとそれほど辛くなく吐けるようになる。
あくびやクシャミをするのと、大差ない。


そして。
それでも、痩せられればイイ。褒められればイイ。


「お前、ちっとも痩せないな」「頑張るとかクチで言ってるだけじゃ、意味ない」


そう言われた時には、自分の中の何かが壊れていく。
もう「自分を変えていこう」ではなく「自分がいけない(よくない)」のだと。
友達に「外見だけで判断するような人と付き合わなければいい」と言われても
「それは、外見が醜悪な人の逃げ口上だ」としか思えなくなっていたりして、
完全に、どっか壊れてる状態。完全に自分を見失っているというか。


…なんだか読んでて痛いですね。(苦笑
私の苦い思い出話のひとつなんですが、まぁここんとこそんな気持ちにもならずに
平和な日々を送ってきまして。
去年も(まっとうな)ダイエットをして、15kgほど落としたのですが、
どうも今年はうまくその波にのれなくて。
そんな時は、こんな経験を思い出したりします。


気持ちに余裕がないと、ナニやってもうまくいかないからね。
魅力的になろうと努力の方向性を間違うと、さらに(別の)魅力が減ってしまったりする。


まぁ、ぼちぼちいきましょうよ。うん。