<窮地における真価>

地震だ豪雨だ雷だと、天災が一気にあった昨日から一夜あけて、少し落ち着いた今
こうしてタイピングをしているのだけれど。


家を失ったとか、明日食べるものに困窮してしまうほどの状態ではないので、
まだまだ『窮地』とは言えないかも知れないけれど、困った時に
自分や一緒にいる彼がどういったスタンスなのか?を考えるきっかけになった。


普段、夕立ですら半ベソになるほどカミナリが苦手な私が、
『やだよう。怖いよう』とビクついていると、彼はまるで楽しむかのように
『落ちない落ちない。大丈夫だから』と一笑に付していた。
さすがに夕立ごときにビビるような男性は滅多にいないけれど、それでも
『これくらいで何を言っているの?』と侮蔑されなかったことで、
自分が情けなくてもさらに凹まずにすんだ。


短時間の豪雨のために、街が冠水して幹線道路が何ヶ所も通行止めになり、
そこを右往左往させられ、車の調子が少し悪くなってしまった。
小雨が続く中で車をわき道によせて、状況を確認した彼はトラブルシューティング
あたっていた。本当は少し『まいったなぁ』とか『やっべー。どうしよう』と
思っていたのかもしれないけれど、私にはそんな態度はみせなかった。
私は私で、なんにもしてあげられることがなく傍で少しでも濡れないように
傘をさしているくらいしかできなくて。


たぶん、お互い同時に『落ち着かなくちゃ』って思ってたと思う。
その場にいるのが自分ひとりじゃない…ってことが、さらにそう思わせた気がする。
いい意味で『自分が慌ててちゃいけない』と思ったというか。


ふと思い出したことがあった。


阪神大震災に遭った知人がいて、詳しい事情ははばかられるので書けないが、
震災のあと、(災害時の)お互いのキモチのすれ違いからできた溝が埋められなくて
のちに、離婚してしまった。


なんでもかんでも寄りかかればいいわけじゃないけど、
『一緒にいたら、きっとなんとかなる』って思えるような、そんな関係でいられたらいいな…と。
相手を思う気持ちを、忘れないだけの自分の余裕がなくならないようにしたいな。